週末副業記

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【おすすめ ビジネス本】孫子・三十六計【戦略】


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三十六計とは、兵法の戦術を六組に分け、各組に六つの計略が記載されているものです。本記事では、「この本で得られる考え方」「おすすめする3つの理由」「三十六計の中で特に気になった点」紹介します。

この本で得られる考え方

この本では、以下の計略について書かれています。

  • 自軍が優勢な時の計略
  • 自軍と敵軍で戦力差がない時の計略
  • 自軍が攻めている時の計略
  • 混戦状態の時の計略
  • 敵軍と協力する時の計略
  • 自軍が負けている時の計略


いずれも社会生活を行う上で必要になる考え方です。人と会話して物事を勧めるという行為がある以上、これらは避けることができません。以降の「おすすめする3つの理由」では、お勧めする理由を、「特に気になった点」では、読み進める中で特に気になった文章と私なりの考えを説明します。

おすすめする3つの理由

全てに通じる計略であること

計略をビジネスで活かす場合、経営・企画の役割をイメージします。しかし、本書の計略は経営や企画だけでなく、交渉や人間関係の構築にも展開可能な考え方になっています。その理由として考える一つの文を紹介します。

四方を包囲した的には必ず一箇所退路をあけておき、どうにも進退が窮まった敵をぎりぎりまで追いつめてはならない。
孫子・三十六計 ビキナーズ・クラシックス 中国の古典(角川ソフィア文庫)Kindle版No.1373/3548:より引用

孫子の兵法では、戦わずして勝つことが基本的な考え方です。四方を包囲し、追いつめられた敵は「窮鼠猫を噛む」という諺のように、大きな力を発揮します。それにより自軍は敵軍から最後の攻撃を受け、不必要に多大な損失を生じる可能性があります。

社内における交渉・人間関係でも同様のことが考えられます。例えば、ある議論を行っている際に自分が優位に立っている状況について考えます。相手の逃げ道を用意せずに議論を終わらせてしまうと、相手は・意見を否定された・あるいは採用されなかった、と考える可能性があります。
これを防ぐためにも逃げ道を用意し、次回にはその相手が味方になるように議論を終わらせることが重要です。(どのようにして味方にするか?については「伝え方が9割 【「伝え方が9割 2」試読版付き】」などが参考になります。)相手が味方になれば、次回別のテーマの協力もしてくれるでしょう。
別の一文ですが、攻めていた敵を仲間にするということが最上の勝利であるということが本書でも説かれています。論理的に正しいことを主張するだけでなく、交渉相手がそれを聞いてどのように考えるか?についても交渉においては思慮を巡らす必要があります。

凡そ用兵の法は、国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ。
孫子・三十六計 ビキナーズ・クラシックス 中国の古典(角川ソフィア文庫)Kindle版No.558/3548:より引用

この一文だけでも、経営・企画はもちろん、社内の交渉・人間関係構築における考え方を得ることができます。

計略単位で書かれていて読みやすいこと

この本で得られる考え方に挙げた通り、六種類で構成されています。六種類で構成されているため、自分の置かれている状況に合わせて、その計略を読むことができます。計略は短い分で構成されており、短時間で考え方を得ることができます。具体的な使い方として、私の読み方を紹介します。
私の読み方は、下記の3ステップです。

  1. 自分が直面している問題はどの分類か判断
  2. 計略の中で該当する計略はどれか判断
  3. 計略を元に自分の立てる計略を書き起こす


どうすれば良いか考える時、基本となる軸として活用しています。軸があると判断がつきやすいです。

本が薄く、読書ハードルがグッと下がる

Kindleであれば薄さは分かりませんが、ビジネス本は基本的に重くて厚いものが多いです。しかし、この本は薄くて軽いです。そのため、上記おすすめポイント2つに加え少し時間が空いた時にさっと読む本としても優秀です。出張先の待ち時間や、移動中など少し時間があるときも一計だけでも読むことができ、その後の交渉などで役に立つでしょう。

特に気になった点

特に気になった文章を最後に紹介します。

彼を知り己をしれば、百戦して殆うからず
孫子・三十六計 ビキナーズ・クラシックス 中国の古典(角川ソフィア文庫)Kindle版No.725/3548:より引用

孫子の兵法のなかで最も有名な文章の一つです。この意味をきちんと理解したいという思いも、この本を読んだきっかけの一つです。自らの状況を知り、敵の状況もきちんと把握しておけば、自らの戦力と敵の戦力との相対的な比較も行うことができ、負けることはない、という意味です。やはりこれも全ての状況において言える適用可能な言葉だと考えます。これを念頭に置きながら、昔の武将の戦や、現代のビジネスの失敗例を眺めると、また違った角度から知見を得ることができます。

軍事には計量的思考が必要となる。「度」「量」「数」「称」「勝」の五つである。
孫子・三十六計 ビキナーズ・クラシックス 中国の古典(角川ソフィア文庫)Kindle版No.876/3548:より引用

これは経営・事業企画や開発におけるプロダクトマネージャを行う上で必要な考え方です。この内容については数ページしか書かれていませんが、度・量=市場規模分析、数=リソース配分、称=他社比較、勝=推進計画策定という現代の事業における考え方と軍事が密接に関わっていることが分かります。軍事的な考え方がそのまま現代の経営に当てはまるということを強く認識できた、という点で特に気になった点として挙げさせていただきました。

まとめ

どのような業務に従事していても活かすことができる考え方が詰まっている本です。孫子の兵法について学びたいが、どの本を買えば良いかわからない、戦略系の軸を持ちたい人おすすめの本です。ぜひ読んで見てください。普段の仕事の見え方がグッと変わると思います。

※タイトル画像には、CASE NEWTONによるPixabayからの画像を使用しております。