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実力主義者が賞賛するのは「努力」じゃなかった!?

これからの「正義」の話をしよう-マイケルサンデル

 

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

本の題名の通り、”正義”についての話がいくつも書かれています。

この本の中でいくつか、面白いと思った文章について書いていきたいと思っています。

 

自由に行動するというのは、最善の手段を選ぶことではない

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「自由に行動する」とは、ある目的を達成するための最善の手段を選ぶことではなく、目的そのものを目的そのもののために選択することだ。

言葉だけを見ると、割と普通のことを書いているようですが、実際の自分たちの行動を振り返ると、目的ではなく手段を選んでいることが多いと思います。

つまり、手段が目的化しているような状態です。

例えば、お金を稼ぐために働く。という文章における「目的」とは、「お金を稼ぐこと」ですね。

しかし、お金とは物を買うための道具です。つまり「お金」というのは手段の一つに他なりません。「お金を稼ぐ」ことにとらわれている限り、自由に行動しているとはいえないということです。

 本当に自由に行動したいと思うのであれば、好きなことを仕事にするということにつながると思います。目的のために行動する。この視点を持っていれば、様々なしがらみ(お金とか)から解放されて、本当にしたいことに全力で取り組める気がします。

 

 

笛を配る際に捜すべきは、笛を最もうまく吹く人

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これはアリストテレスの論の中にあるもので、

最も良い笛が最も良い笛吹きに与えられるべきなのは、笛はそのため(うまく演奏されるため)に存在するから

というものです。

これも先ほどと同じように、笛の「優れた音楽を生み出す」という目的を優先しているという考えですね。

古代世界では、こういった目的論的な考え方が現在よりも優勢だったそうです。

こういった考えの中で、偏ったものもあります。

例えば、「炎が立ち上がるのは、本来の場所である空に届こうとするから

とか。

こういった考えは、物理的法則に支配されているという見方に変わっていくにつれ

薄れていったみたいです。

 

 

実力主義者が重要視しているのは貢献度や達成度

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実力主義者は、全員努力しているという背景から、

「努力するやつは素晴らしい!」みたいに思っていると思われていますが、

実は違う。

努力しているのが素晴らしいのではなく、「結果」が素晴らしいということを評価しているんですね。

成功している人というのは自分がしてきたこと、例えば「努力」

があったから今の自分があると思いがちですが、

こういった「努力」も含めて、

成し得た功績というものは偶然性の影響を受けているという

事実を見逃しがちであるということです。

この偶然があったからこそ、努力をするようになった。

この偶然があったからこそ、情報を集めるようになった。

努力ができる人であるのは、あなたにその価値があるからではなく、幸運な偶然が重なったからであり、あなたの手柄ではまったくない。

 

私は努力論(努力すればある程度まではいける)ということを唱えがちですが、

この言葉を読んで、あまり努力を強要するのもよくないかなぁと思いました。 

夢があるのにそれを達成しようと努力しないというのは、それは夢ではない。

と考えてしまうのですが、人それぞれ夢の定義が違いますから、一概に夢ではないとはいえませんね。

 

自分の中に一本通っている筋に対しての反論も得ることができ、視野が広がりました。

今回は紹介しませんでしたが、この本の中では「功利主義」という言葉が何度も出てきます。

終わりよければすべてよし。的な考えのことですが、この考えに対して様々な例を用いて議論(?)が繰り広げられています。

終わりよければすべていいのか? その間の犠牲は? 主人公はだれ?

裁量権は?

 

説得力のある文章で構成されており、10ページに一回は「なるほど!確かに」と思ってしまうような本です。

正義とは何か? というテーマはすごく難しいですが、

多様な考えが展開されているため、「正義とかどうでもいい」と考える人にとっても価値観を広げてくれる本になっていると思います。

 

いわずと知れた名著ですが、

読んだことのない人はぜひぜひ読んでみてください。

 

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

次は、何を読もうかな...